ガソリンが手に入らず移動もままならないため、近隣の状況しか得られませんが、ライフラインは幾分回復しています。
市の区役所の辺りなど、救援に必要な施設の周りから電気が復旧しており、水道やガスに比べて早いようです。
水道は出ている地区と出ていない地区、様々です。電気が通ったマンションなどは、地上の貯水場から屋上に水は汲みあげられていますが、それも無くなってしまうと再び断水する状況です。
私のいる地区は震災の酷い若林区の隣、宮城野区なのですが、仙台東部道路から海側は津波によって被害を受けています。また、多賀城市や名取市は海抜がそう高くないため被害の程度が酷く、直接津波の被害を受けた地区は物資が非常に不足している状況です。
今でも余震は多く、多いときには1時間で2、3度起きています。普段は震度1〜2程度ですが、ニュースに出るような規模では震度3程度が起きています。そのため、多くの人が深夜の地震などに怯えて暮らしています。
市民に情報を伝える各自治体のホームページなども、地震でシステムが一時的にダウンした後、起動を担当する事業者の担当者と連絡がとれなかったり、システムは稼働していても回線が不通になっているなどし、WEBを通じた災害情報の提供がままならない状況です。
携帯電話を充電する事が出来ない人が多く、連絡が取れない要因となっています。車を走らせようにもガソリンが売っていません。仙台港近くでプロパンガス精製所が火災に包まれたため、仙台で販売されているガソリンを塩釜などの石油基地から運搬するのは困難と思われます。
市内の地下鉄などは区間限定でピストン運行を始め、未開通の部分はバスで代替え運行をしています。また、市内のバスは不定期に人々を乗せて走り回っています。
空からヘリコプターの音が途絶えることはなく、何度も何度もサイレンを鳴らした救急車や災害関係車両が幹線道路を行きかっています。
水道やガスの完全復旧には1か月以上かかるだろうとアナウンスされていますが、津波の被害を直接受けた地区に比べれば、私の地区は平和そのものかもしれません。むしろこの程度でありがたい気持ちです。
まだ、行方不明の方々の捜索も続いていますし、福島では原子力発電所の事故で津波とはまた違った災害が発生しています。宮城だけでなく、東北沿岸各県の被災した方々、栃木や長野北部の方々が一刻も早く通常の生活に戻れるよう、お祈りいたします。
また、不幸にもご家族や知り合いがお亡くなりになった方々に、心からお悔やみ申し上げます。