2020年のスクランブル発進が725回だったようです。
1000回に近かった一時期よりは減りましたが、来訪飛行物体が減ったのではありません。領空侵犯の可能性が低いと判断できる案件は無視することにしたからです。それでも欧州のNATO加盟国を合計しても430回程度と言われていますから、特別多いと言えます。
我が国の次期主力戦闘機として配備が進められている米国ロッキードマーチン社のF35Aは第5世代ステルス戦闘機ですが、一定時間飛行するたびにステルス塗料の塗り替えやエンジンのオーバーホールといった高額な整備をしなければなりません。整備費用を抑える対策としてその拠点を国内に置いているものの、翼の不具合も指摘されており、その影響で寿命も短いと言われています。
スクランブルが多く戦闘機の消耗が激しければ実戦の際に稼働できる機体数も少なくなりますから、それが敵性国家の狙いだと考えられています。
とは言え、排他的経済水域を含めた日本の領域は全世界で6番目の広さを持ちますので、スクランブルの多さもある程度仕方のない面もあります。範囲が広いため世界で最も高性能なE-767早期警戒管制機を4機保有し、8時間交代で24時間監視しているのもうなずけます。
いずれにしろ、自衛隊の隊員が毎日2回は出動しているわけですから、ほんとうにご苦労様です。