ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻の48時間後に発表しようと準備していたメディア用のメッセージが誤ってアップされすぐに削除されました。しかしそれはネット上に保存されています。もちろんフェイクの可能性もありますが文末にリンクをご紹介します。
48時間という短い時間で軍事作戦に勝利する想定であれば侵攻前に勝利宣言を準備するのもうなずけますし、侵攻前に対話する準備があると流した映像のネクタイの色とその二日後に進行を開始したことを告げる映像のネクタイの色が同じであったことから双方は同時に収録されていたのではないかと思われていますので、そのように準備されていたとしても不思議はないでしょう。ただプーチン大統領の思惑とおりには進まなかったようです。
話は少しアジアに移りますが、数年前に知り合った台湾出身の若い女性に「あなたは中華民国の出身ですか」と聞いたことがあります。その多少意地悪な質問に彼女は「台湾」と答えました。今でも中華民国と答える人もいるのでしょうが、台湾で生まれ育った人たちは、とりわけ若い年代の人々は国に愛着を持ち、台湾が祖国であるとごく自然に、あたりまえに感じている事でしょう。ウクライナの人々もそれは同じで、ソ連邦の崩壊後にウクライナは独立し、今の若い人々は台湾同様、ウクライナに生まれ育ち、ウクライナを自国として愛しています。
プーチン大統領は同一民族としての強いロシアの復活を目指しています。それはすなわちロシア、ベラルーシ、ウクライナの連合です。旧ロシア帝国はバルト3国やポーランドなどを含む広大な領地でしたが、彼は少なくともこの3国が民族的にも、あるいは宗教的にもロシアと同一であると、同一の国家であると強く思っており、これまでの西欧主導による支配からの脱却とロシアがベラルーシとウクライナの傀儡政権を通してヨーロッパへの復帰と強い影響力を持とうとしていることは間違いないでしょう。また、プーチン大統領はキリスト教徒であり、キエフにはソフィア大聖堂などの歴史的な聖地が多く、これもロシアの一部として強く思いをはせる要因かもしれません。
しかし、プーチン大統領の想いとは真逆に、ウクライナの人々はウクライナという国を愛し、自らの力で国を守ろうとしています。ウクライナの人々が自らの国を自らの力で守ろうとしているからこそロシア軍は苦戦し、世界各国はその粘り強い抵抗に感銘を受け、ウクライナを支援しようとしています。つまり、この戦いは歴史の亡霊に操られた指導者と新しい時代を生きようとする者たちとの戦いなのです。
人の命ほど重いものはありません、即時の停戦を願うとともにウクライナとロシア双方の犠牲者に哀悼の意を捧げたいと思います。
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