写真は ヨーロッパ南天文台で撮影されたものです。
R136a1クラスターの近赤外線映像です。
中央でひときわ明るい星が、今回発見された太陽の320倍大きく、10万倍明るいと観測された恒星です。
なぜこれか大変なニュースかと言いますと、今までは130倍〜150倍が限界であろうと言われていたからなのです。
一気に倍の大きさですから、驚くのも無理ありません。
場所は大マゼラン銀河・タランチュラ星雲の中心です。
この星の中心では核融合反応が行われており、自分自身の重さと表面に出ようとする力とのバランスが崩壊を防いでいます。
つまり、太陽の320倍もの質量に耐えるエネルギーが消費されているという事で、燃料の消費が激しく、それだけ寿命も短いのです。
いずれ核融合が収束していけば、自らの重みに耐え切れなくなり、崩壊後に超新星爆発を起こし、白色矮星やブラックホールになるでしょう。
あるいは、あまりに大きいためにガンマ線バーストが起き、周囲の惑星や恒星を吹き飛ばす可能性もあります。
こういった恒星の事を、極超新星と呼びます。
もし、この星の極が地球に向いていれば、例え16万光年離れていても被害が及ぶかもしれません。
ただ、こういった星が死を迎えるとき、様々な元素を生み出します。
例えば、金やカルシュウムがそうです。
人間の骨には絶対必要なカルシュウムも、こうした恒星の爆発によって作られた元素です。
つまり、私たちの体は星屑の集まりなのです。