世はクラウド化、ASP・SaaS に向けてまっしぐらです。
総務省でも自治体アプリケーションのクラウド化に向けて、実証実験の協力企業を募集するなど、ICT の「所有」が ICTの「共有」に向けて動き出しました。(共有ではなく「利用」だと公式には言われています)
これらの取り組みには前提があり、高速光ブロードバンドの普及もその一つですが、仙台市でも相応の負担をし、 NTT と共同して過疎地へ光ケーブルを敷設する(ようです)など、着実にインフラ整備は進んでいます。
まあ、ここまではニュースなのですが・・・。
e-ガバメント構想だとか、ICT だとか、何だかんだで政府とメーカーが IT バブルを作り上げ、特定のメーカーに頼り切った情報システムを構築し、結果的にお金が掛かり過ぎるシステムを生み出してしまったのではないかと私は思います。
金がかかった割に、世界から見た IT立国 の評価は低いですよね。
その事に反省の色もなく、メーカーは別な餌「儲け話」を探しているのではないでしょうか。
何故なら、目新しくもない「ASP」を「クラウド」や「SaaS」という名前に置き換えてるだけではないですか?
この政府の試みは、「地方自治体におけるサービスの要求レベル」から考えると、とても成功しうるものとは思えません。政府に「これをやれば補助金を出すから」と言われ、甘い言葉に食いついた地方自治体が10年とか12年とかの包括契約をさせられ、サービスが悪いとか、故障が多いとか、レスポンスが悪いとか、文句を言いながらも使い続けなければならない、そんな場面が目に浮かぶようです。
ソフトウエアは資産です。開発し、更新ではそのノウハウを生かし、常に発展、安定させ、市民により良いサービスを提供するシステムを目指さなければなりません。それが自治体の義務(サービス)なのに、肝心な中枢機能を民間に借りてどうするんですか。
それでも ASP と言うなら、昔も「計算センター」というものがあり、一手に代行していたのですから、その時代に戻った方が費用も手間もかからないのではないでしょうかね。
多少過激なコメントですが、数十年も自治体のシステムを見つめてきた「現実主義的コンサル」のたわごとだと思って聞き流してください。
さて、新年度頑張ります。