軍事技術のお話です。
最近、ボーイング747型機からレーザーを照射し、発射直後のミサイルを破壊する実験が行われ、成功裏に終わりました。
ミサイルの迎撃は弾頭に行うものではなく、ミサイルを動かす燃料を爆発させる事によって撃墜します。
という事は、当然のことながら高エネルギーが必要となりますよね。
何しろ熱でロケットの燃料を爆発させるのです。
そんな訳で、破壊力のあるレーザービームを照射するには、巨大なエネルギー発生装置が必要となります。
そのために選ばれたのがジャンボジェット機という訳です。
小型機では巨大な機器を搭載できないのです。
以前に映画で話題になった「反物質」を「宙に浮かせておく」機械も巨大なものです。
なにせ「反物質」は物質に触れると消滅してしまいますから、真空中に浮かせておく必要があるのです。
そのための設備は、ちょっとしたオフィスビル1フロア分もあります。
映画のように持って歩く事など到底不可能です。
余談ですが、レーザーを照射するためには、大気圏中の空気による歪みも計算に入れなければなりません。
そのため、直前に照準レーザーを発射し、その戻りから歪みを瞬時に計算してレーザー本体の照射軌道を修正します。
この技術はもともと天体観測に利用されていました。
地上から天体を観測すると、空気による歪みが発生します。
その歪みをレーザー照射で計測する事により、補正した鮮やかな天体写真を撮影しているのです。
最近エコじゃない事から敬遠されがちの747型機ですが、そんなところで活躍してます。
どうして747なの?という話題でした。