腹筋をつける覚悟ができたところで、早速その方法について解説します。
まず、器具を使おうが、床で腹筋をしようが、注意して欲しいのは、「続けられる程度の運動」をすることです。学生の頃のように、毎日きついノルマを消化すれば、すぐに効果が出てくるでしょうが、これまで毎日適度な運動をして来なければ、40代、50代と年齢を重ねるにつれ、体の筋肉のバランスが崩れてきています。ですから、ある時急激な運動をしてしまうと、予期せず筋力の弱い部位に負荷がかかることで、筋力をつけるつもりが病院のお世話になる、なんて事になりかねません。
まずは10回、20回と無理しない範囲、無理しない範囲とは、うっすら汗がにじむ程度で、なおかつ苦痛をあまり感じない程度、つまり根性を必要としない程度です。毎日続けることで自然に回数が増えてきますので、焦らず取り組んでください。筆者はもう筋力を増強する必要がないので、筋力を維持することが目的になっており、週に2、3回、連続して40回〜50回程度の腹筋運動をしています。さらに増やすこともできるのですが、以前それをして、胸回りや首の付け根の筋肉がつきすぎ、持っているワイシャツが着られなくなる事態になってしまうところでした。逆三角形の見た目は、お腹がへこむだけではなく、胸の筋肉と腕や首周りの筋肉がつくことで形成されますので留意してください。
次に、いつ腹筋運動をしたら良いかですが、筆者は食後に食器洗いなどの後片付けをしてからすぐに腹筋をしています。これにはインスリンの分泌が大きく関与しており、詳しいことは後述する食事の項にて解説しますが、ここで簡単に説明すると、食事により糖質を摂取することで、膵臓からインスリンが分泌され、血液中の血糖値を調整しようとします。このとき、急激にインスリンが分泌されると体によくありません。そのインスリンの分泌は血液中のブドウ糖に左右されますので、そのブドウ糖を早めにエネルギーへと変換してしまおうということです。エネルギーに変えることのできなかった残りのブドウ糖は中性脂肪となり、体に蓄えられてしまいますのでダイエットになりません。次に食事をするまでのエネルギーとなる分のブドウ糖を残し、それ以上の余分なブドウ糖は早めに消費してしまいましょう、ということです。
消費しなければならないブドウ糖の量を把握するのは難しいですが、腹筋運動による筋力増加に伴う基礎代謝量が決まってくれば、必要な糖質が感覚的にでも判るようになります。なにせエネルギーが足りないと体がだるくなりますし、集中力が低下しますので。そのような時でも糖質は炭水化物やジュースから手軽にとれますので、最初はあまり気にせず、毎日食後の腹筋運動を続けてください。
また、食後の腹筋運動は、摂取したタンパク質を筋肉に変えるために必要です。腹筋運動により傷んだ筋肉を修復するには良質なタンパク質が必要となりますので、タンパク質を摂取した食後の運動は都合が良い、ということになります。
(次回に続く)