年末になり、何やら忙しい日が続いています。
iSPPの公式行事として、17日の東京例会(自治体の災害対策本部を仮想したロールプレイング研修)が行われ、18日には仙台で第3回の例会と被災地ツアーが行われました。
今回のツアーは、主にIT関係のマスコミ、政府や自治体、中央のIT業界に影響力のある方を対象に、民間と自治体の方のお話をお聞きしたのち、実際に被災地の現状を視察。その後大きな被害を受けた自治体で、大手マスコミが取材しない自治体の「今」を、お話し頂きました。
前半の例会では講演者をお招きし、被災者の実情・仮設住宅の実情・ICT自治体セミナーの報告をさせて頂きました。被災地視察ツアーとの抱き合わせ講演であるため、人数に限定があり、主に普段はなかなか来ることのできない大分や東京の方々に参加して頂きました。
仙台市の荒浜ではみなさんを海岸までご案内し、以前そこにあった海水浴場と、いまはもう見られない人々の暮らしを実感して頂きました。
同時に、仙台市沿岸に展開している瓦礫処理のプラントを遠巻きにご覧頂きました。以前は松林が延々と続いていた沿岸には、瓦礫とその処理プラントが並んでいるのです。
※海岸から荒浜を視察している様子
名取市閖上では高台に上って頂き、いかに広範囲に被災しているかを実感して頂きました。この写真からでもわかる通り、瓦礫が撤去され、悲しいことに原野と化してしまっています。このバスのある場所から仙台市中心部のビルが望めてしまうのです。
※バスと運転手さんは大和町の中川レンタカーさんが、NPO団体を通して格安で提供してくれました。
今回は休日にもかかわらず、市長をはじめ、市の職員の方がおいでくださり、貴重なお話をお聞きしました。
情報を発信しようにもその情報を集める手段がない、市の復興計画は様々な意見が出るため、すべての人に満足して頂けるような計画づくりに頑張ってはいるが難しい。
市の職員の方にもお話をお聞きしたのは、瓦礫が撤去されても、市民の心の傷や自治体の復旧復興が片付いたわけではなく、これからが正念場であることを参加者に深く感じて欲しかったからです。私たち支援団体は、直接自治体業務を支援する事は出来ません。ですが、せめて、様々な組織に影響力を持つ方に今の実情を聞いて頂き、それを広く伝えたいのです。
今やマスコミは瓦礫が残っている、「絵的に見せる」地域にしか取材に来ません。そのような、見た目だけのインパクト狙いではなく、もっと地域の復旧復興に市民がどのように取り組んでいるか取材して頂きたいものです。
今回はNPO法人杜の考房、また複数の市の職員の方が快く協力してくださいました。復興まだ中ばであるにもかかわらず時間を割いて頂き、ありがとうございました。このブログは多くの自治体の方にご覧いただいておりますので、この場を借りてお礼申し上げます。