ゆとり世代と言われる人たち。
その中で私が注目しているのは、オタクと呼ばれる人たちです。
オタクたちは、今回の大震災で自分が多くの知識を持ち、情報の選別に長けていることに気が付くでしょう。
なぜ、彼らが情報の選別に長けたのでしょう。
それは、あらゆるメディアデバイスを使いこなす上に、何ら分類されていない、つまりフィルタのかかっていない膨大な情報から、自らが必要とする情報を選別する事が、彼らにとっては自然な行為だったからです。
おそらく彼らは「原子力発電所」というひとつのキーワードから、数多くの知識を情報デバイスから取り込み、核物質の最小単位である粒子の分野まで簡単に情報を把握し、分析する事ができるでしょう。
また、彼らが信じているのは「正確なリソース」から出る情報だけで、これはオタク技術者として絶対的に守るべき規則なのです。
素人の「にわか学者」、「御用学者」と呼ばれる政府に都合の良い発言をする学者の意見など、聞いても彼らはスルーしてしまうはずです。
文末に「〜らしい」などと記述されているものは、彼らにとって何の価値もないからです。
そう、彼らは情報の選別に重要な、不必要な情報を無視する「スルースキル」をも持っているのです。
いちいち学者や政府を批判したり、吠えたりしません。
そのため、放射能汚染に関するマスコミの反応や報道をひややかに見て聞き、自分の意思決定とそれらを比べることにより、より安全に、より確実にどうすれば良いかを自然に分析しているのです。
10mの堤防が無意味であることを、彼らは知っていたはずです。
想像力と臆病なほどの危機感を持っている彼らであれば、25mの堤防を当たり前のように作ったはずだからです。
復旧が進むにつれ、彼らは自分の出番が近い事に気付くでしょう。
日本が彼らを必要とする時代に向いてきたからです。
今頃、彼らはウズウズしてきたはずです。