ソフトンハウス・トップへ
積 緋露雪
虚妄の迷宮
BLOG HOME
思索に耽る苦行の軌跡
Calendar
<<11月>>
.....12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
Category
思索(98)
→リスト表示する
Archive
アーカイブはありません。
Parts
パーツはありません。
Latest Blog
tonton
2024年11月の動画関...
tonton
代替品について...
tonton
アメリカ(人)の倫理観...
tonton
無駄な作業など...
tonton
マウイ島の山火事で200...
jotf1967
移転しました。移転 ...
jotf1967
11月7日(木)...
jotf1967
11月6日(水)...
jotf1967
11月5日(火)...
jotf1967
11月4日(月)...
jotf1967
11月3日(日)...
Messages
夢魔 二
幽閉、若しくは彷徨 四十...
黙劇「杳体なるもの」 七...
幽閉、若しくは彷徨 四十...
水際 七
幽閉、若しくは彷徨 四十...
睨まれし 七
幽閉、若しくは彷徨 四十...
ざわめき 七
幽閉、若しくは彷徨 四十...
嗤ふ吾 五
幽閉、若しくは彷徨 四十...
蘗(ひこばえ) 二...
幽閉、若しくは彷徨 四十...
夢魔 一
幽閉、若しくは彷徨 四十...
黙劇「杳体なるもの」 六...
幽閉、若しくは彷徨 四十...
水際 六
幽閉、若しくは彷徨 三十...
→リスト表示する
[最新順表示]  1 件
 [リストを表示] 1頁10件 1/1(1件)
2009/12/05 06:52:15 プライベート♪
思索
幽閉、若しくは彷徨 四十六

――それはまやかしではないのかね? 





――まやかしで結構ぢゃないか! 土台、《主体》が己の事を《吾》と認識しちまふ事自体が、或る意味まやかしに外ならないのだから。





――それは言ひっこなしだぜ。《吾》が己を《吾》と認識する事自体まやかしと言っちまったなら、それは虚無主義のど壺に嵌るだけだぜ。





――しかし、お前は「苦悩による苦悩の封建制」を担ふ《主体》たる《吾》の有様そのものをまやかしに、つまり、虚妄にしたいんだらうが――。





――だって神若しくは神々のゐない創世記なぞ、このちっぽけな《主体》たる《吾》に創造出来る筈がないぢゃないか! 





――否! 《主体》たる《吾》は如何あっても神若しくは神々のゐない創世記をでっち上げる外ないのさ。へっ、未だ夢半ばとはいへ、このちっぽけな《主体》たる《吾》は科学的に素粒子理論や超絃理論や余剰次元の理論や、そしてそれらを元にして何とか宇宙論を作り上げたぢゃないか。





――それさ。つまり、神若しくは神々のゐない創世記をでっち上げるといふのは、特異点を人智の埒内に、つまり、《主体》たる《吾》が徹頭徹尾此の世の生々流転の有様を理詰めで語り果(おほ)す事に違ひない筈なのだが、しかし、実際のところ、《主体》たる《吾》の現状と言ったなら未だ無と無限を何とも仕様がないその己の無力さ加減にうんざりしてゐる、ちぇっ、そんな脱力感に包まれた《主体》たる《吾》が此の世に有象無象としてゐるばかりなのさ。





――へっ、詰まる所、無と無限にすら四苦八苦してゐる《もの》に特異点を語る資格はないといふことかね? 





――ふっ、それでもお前は語り果せと言ふんだらろう? 





――でっち上げてしまへばいいのさ。そして神若しくは神々を《存在》から解放させてやるのさ。





――簡単にでっち上げればいいと言ふが、そのでっち上げた創世記は科学的な理論にも堪へ得る《もの》でなければ、へっ、そのでっち上げた創世記なる《もの》は邯鄲の夢と五十歩百歩に過ぎぬのぢゃないかね? 





――何故? 





――何故だと! 乱暴な物言ひをするが、つまり、《主体》たる《吾》は、この科学万能の世に科学的な理論に堪へ得ぬ《もの》は何の役にも立たぬ《もの》として、神若しくは神々すらもその《存在》を此の世から抹消しちまふ何とも無情且無常な体たらくの、ちぇっ、科学的に理論武装した中に、さも心地良ささうにたゆたひながら、結局は《主体》たる《吾》は、此の世の穴凹たる不可知な無と無限と特異点から論理的に回避しする事に、若しくはそれらを乱用することに終始し、挙句の果てはなるべくそれらに触れぬやうにする事に最早疲れ果ててその身を窶(やつ)してゐるのが本当のところだらう?  





――ちょっ、《もの》を有益か無益かで差別するのは《もの》に対してこれ以上失礼千万な事があるかい? 





――しかし、科学的な理論に堪へ得ぬ《もの》はそれが何であれ、それは無益で切り捨てるべき《もの》で、そんな《もの》には誰も目を向けやとないのが実際のところだぜ。





――さうさ。つまり、それは《存在》する《もの》が、例へば科学的といふ名の《他》、つまり、客体に開かれた《もの》、換言すれば、自閉した《存在》を《吾》を初めとする全《存在》が嫌悪するといふ事を科学に託けて言明してゐるに過ぎぬのぢゃないかね? つまり、《存在》は既に自閉することを禁じた《存在》として此の世に「先験的」に投企された《存在》なのさ。





――それは、つまり、《存在》とは《他》に開かれた穴凹だらけの《存在形式》若しくは《存在》の位相しか、最早受け付けぬといふことだよね? 





――ああ。《存在》が穴凹だらけならば此の世に開いたその穴凹の一つに違ひない特異点も己の穴凹から類推して、その類推した《もの》を元に無理矢理にでも何とか語り果してしまひ、その上、徹頭徹尾《主体》たる《吾》と《他》のみで出来た神若しくは神々のゐない創世記をでっち上げる事は可能な筈だかね。 





――つまり、其処には《他》=宇宙の《存在》が暗黙裡に含意されてゐるといふ訳だね。 





――ああ、さうさ。此の《吾》=宇宙は、《吾》のみで自閉した事など金輪際ないのさ。即ち、「《吾》とは《吾》で自閉するに能はず、《吾》は《他》をして《他》に開かれし穴凹複合体なり!」。





――さうすると、人間の耳孔、眼窩、鼻孔、口腔、肛門、そして生殖器、更には各細胞に無数に開いてゐる穴凹、将又(はたまた)物質を構成する例へば分子群がすかすかの隙間だらけなのは、飛躍した物言ひをすれば、必ず《吾》には未知なる《他》が《存在》してゐる証左と看做していいんだね? 





――違ふとでも? 





――いや。しかし、穴凹だらけが即《他》の《存在》を暗示させるとは即断出来やしないのぢゃないかい? それ以前に在りるとも無いとも言ひ切れない《他》=宇宙の《存在》をどうやって実証するか? 





――穴凹の《存在》が即《他》の《存在》を暗示するとはお前の言ふ通り即断できないが、しかし、少なくとも穴凹だらけの《吾》は《吾》で自閉していない証左にはなるだらう。だから、神若しくは神々のゐない《吾》と《他》による創世記をでっち上げろと言ってゐるんだよ。ちぇっ、神若しくは神々のゐない創世記をでっち上げるのに、詰まる所、《吾》と《他》の外に何が必須だと言ふんだね? 





――さて、《吾》と《他》以外何《もの》も不必要だとすると、現状では《他》=宇宙は如何様にも創作可能といふことか――。 否、《他》=宇宙の《存在》を暗示してゐないどんな宇宙論も如何様(いかさま)といふことか! なあ、さうだらう? 





(四十六の篇終はり)







自著「夢幻空花なる思索の螺旋階段」(文芸社刊)も宜しくお願いします。詳細は下記URLを参照ください。
http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-05367-7.jsp



TB(0) | 記事URL |コメント |通報
画面TOPへ [最新順表示]  1 件
お名前
URL
タイトル
コメント
※この番号を下記に「半角数値」で入力してください。
画像認証
  コメントの投稿時には画像認証に表示されている番号を入力してください。
  投稿記事が削除された場合は、同時にコメントも削除されますのでご了承ください。
  ブログの管理者が承認しないとコメントが反映されない場合もあります。
  宣伝を含むコメントは予告せずに削除いたしますのでご了承ください。
  その他、ソフトンハウス運営チームが予告せずに削除する場合があります。
  アダルト関係のリンクの掲載は利用規約違反とみなします。
  公序良俗に反するコメントは不正アクセスとして通報させて頂きます。
Profile
積 緋露雪
性別男性
年齢45歳
誕生1964年2月25日
星座うお座
血液O型
身長172cm
体型痩身
職業物書き
地域関東
性格穏やか
趣味読書,クラシック音楽鑑賞
チャーム特になし
自己紹介
3度の飯より思索好き今もって独身
Parts

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ
にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 科学ブログへ
にほんブログ村 科学ブログ 物理学へ
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキング・にほんブログ村へ
Favorite
お気に入りはありません。
パーツはありません。
今日
今月
累計
掲載情報などの無断転用・転載を禁止します。著作権は 株式会社ソフトウエア開発 に属します。
本サイトに関するお問い合わせ、広告等の掲載依頼は ソフトンハウス運営チーム までご連絡ください。