ソフトンハウス・トップへ
積 緋露雪
虚妄の迷宮
BLOG HOME
思索に耽る苦行の軌跡
Calendar
<<12月>>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031
Category
思索(98)
→リスト表示する
Archive
アーカイブはありません。
Parts
パーツはありません。
Latest Blog
kazu
感謝です
tonton
2024年12月の動画関...
tonton
巨大アート
tonton
音楽の力とあり方...
tonton
近年の技術革新アイデアグ...
tonton
UFO関係ミステリー...
kazu
水泳
asobow
プレゼント~ ひとり遊び...
tonton
2024年11月の動画関...
tonton
代替品について...
tonton
アメリカ(人)の倫理観...
Messages
夢魔 二
幽閉、若しくは彷徨 四十...
黙劇「杳体なるもの」 七...
幽閉、若しくは彷徨 四十...
水際 七
幽閉、若しくは彷徨 四十...
睨まれし 七
幽閉、若しくは彷徨 四十...
ざわめき 七
幽閉、若しくは彷徨 四十...
嗤ふ吾 五
幽閉、若しくは彷徨 四十...
蘗(ひこばえ) 二...
幽閉、若しくは彷徨 四十...
夢魔 一
幽閉、若しくは彷徨 四十...
黙劇「杳体なるもの」 六...
幽閉、若しくは彷徨 四十...
水際 六
幽閉、若しくは彷徨 三十...
→リスト表示する
[最新順表示]  1 件
 [リストを表示] 1頁10件 1/1(1件)
2009/11/07 17:48:48 プライベート♪
思索
幽閉、若しくは彷徨 四十一

――すると《吾》の過誤は《他》そのものを侮ったことになるが、如何かね? 





――ふっ、その通り。《吾》は《他》を甘く見過ぎてゐたのさ。《吾》無くして全て無しなんぞはその最たる《もの》だ。《吾》無くしても《他》は相変はらず何事もなかったかの如く《存在》する。





――例へば、それは《世界》かね? 





――さうさ。それに《他者》も《客体》も何もかも《吾》がゐようがゐまいがお構ひなしに《存在》する。何時頃から《吾》が《世界》に御邪魔してゐるといふ感覚が無くなってしまったのだらうか……。





――ふっ、無くなったのじゃなく、詰まる所、それは《吾》の《死》に直結するが故に《吾》は《吾》の《死》が怖くてさういふ感覚は全て麻痺させてゐるに過ぎぬのさ。





――さて、どうやって《吾》はその感覚を麻痺させてゐるのやら――。





――へっ、簡単明瞭さ。《吾》が《吾》と対峙しなければ、つまり、《他》の何かに興じてゐれば、この浮世は何となく過ぎてくれるのさ。





――それじゃあ、《吾》は《吾》を知らずして、否、何も知らずして、つまり、まるで夢の中にゐるかのやうにして、時を過ごしちまってゐるのか? 





――《主体》は《吾》と対峙せずに済む《もの》を発明するのに躍起になってゐるじゃないか。





――つまり、娯楽に象徴される《楽》か――。





――ふっ、皮肉なことに《吾》の内部に秘かに潜んでゐればよかった《他》を闇から引き摺り出して、《吾》の内部の《他》が外在化して《吾》を呑み込むといふ、つまり、《吾》が《吾》であることの理性を一瞬でも失はせる《他》といふ欲望を肥大化させた上に更に肥大化させて、時が移ろふ、ちぇっ、それは《吾》の《個時空》に違ひないのだが、そんな事などお構ひなしに欲望といふ《吾》の内部に潜む《他》を無理矢理にでも引き摺り出された《吾》は、《他》の《個時空》たる巨大な巨大な巨大なカルマン渦と一緒くたになった欲望の巨大な渦に呑み込まれ、そしてその《他》の巨大な《個時空》のカルマン渦に流されるまま一生を終へるのさ。ちぇっ、これは極楽じゃないかね? 





――欲望は《他》かね? 





――《世界》を《吾》の頭蓋内の闇、即ち五蘊場に明滅する表象群で埋め尽くした現状においては最早欲望は《他》以外の何《もの》でもない! 





――つまり、《吾》は、ちぇっ、外在化した《吾》の頭蓋内に棲んでゐるといふことか――。





――つまり、夢の中さ。





――それじゃ、夢は《他》かね? 





――夢が《世界》である限りにおいてのみ《他》さ。





――自他無境……。現状を一言で言ってしまへばさうじゃないかね? 





――否、《自》滅さ。





――へっ、《自》滅か。ざまあ見ろだ。





――何に対してのざまあ見ろかね? 





――《自》滅した《吾》に対してに決まってをらうが! 





――さて、すると、現在《吾》は何処に棲息してゐるのだらうか? 





――世界=外だらう? 





――世界=外? 





――さう、世界=外だ。《世界》が外在化した《吾》の頭蓋内の闇、即ち五蘊場に明滅する表象群で埋め尽くされた以上、《吾》は、へっ、皮肉なことに世界=外に追ひ出されちまったのさ。





――その世界=外を具体的に言ふと? 





――欲望といふ《他》が抜け落ちた抜け殻と化した《吾》は、その《吾》を《吾》の内部の無意識下の更にその奥底に封じ込めた一方で、《世界》の涯へと《吾》は自ら進んで《吾》の在処を投企したのさ。





――へっ、それは一体全体何のことかね? 





――ふっふっふっふっ。《吾》の内部の奥底の奥底の奥底は、へっ、《世界》の涯に通じてゐたといふことさ。





――つまり、自他逆転が今現在《吾》のゐる《世界》といふことかね? 





――さうさ。《吾》の内部が《世界》に表出しちまった自他逆転した奇天烈な《世界》、ちぇっ、つまり、異常な《世界》に《主体》は外界を作り変へてしまったのさ。





――しかし、その異常な《世界》とは張りぼての《世界》に過ぎないのじゃないかね? 





――さうさ。しかし、《主体》としての《吾》はその張りぼての異常な《世界》を正常な《世界》と看做す狂気の沙汰を一見平然と成し遂げてしまってゐるのさ。





(四十一の篇終はり)







自著「夢幻空花なる思索の螺旋階段」(文芸社刊)も宜しくお願いします。詳細は下記URLを参照ください。
http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-05367-7.jsp



TB(0) | 記事URL |コメント |通報
画面TOPへ [最新順表示]  1 件
Profile
積 緋露雪
性別男性
年齢45歳
誕生1964年2月25日
星座うお座
血液O型
身長172cm
体型痩身
職業物書き
地域関東
性格穏やか
趣味読書,クラシック音楽鑑賞
チャーム特になし
自己紹介
3度の飯より思索好き今もって独身
Parts

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へ
にほんブログ村 哲学・思想ブログへ
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 科学ブログへ
にほんブログ村 科学ブログ 物理学へ
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキング・にほんブログ村へ
Favorite
お気に入りはありません。
パーツはありません。
今日
今月
累計
掲載情報などの無断転用・転載を禁止します。著作権は 株式会社ソフトウエア開発 に属します。
本サイトに関するお問い合わせ、広告等の掲載依頼は ソフトンハウス運営チーム までご連絡ください。