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積 緋露雪
虚妄の迷宮
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思索に耽る苦行の軌跡
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2009/03/02 06:08:00 プライベート♪
思索
幽閉、若しくは彷徨 廿二
――その為に《主体》は出来得る限りの手練手管を駆使して無と無限が《主体》内部で暴れ出すのを何としても防がなければならないといふ訳かね? 


――いや、無と無限が暴れ出しても別に構はないさ、無と無限に《存在》が呑み込まれなければね。


――ふっふっふっ、この皮肉屋めが――。それは《主体》が《主体》であり続けることが前提の話であって、その実、《主体》が《新体》に相転移するには如何あっても《主体》が無と無限に呑み込まれなければならぬのじゃないかね? 


――無と無限に呑み込まれて《主体》が《新体》に相転移するだと? ぶはっはっはっはっ。如何足掻いても《主体》が《新体》に相転移などせぬよ。無と無限に呑み込まれたぐらゐで《主体》が《新体》に変容出来るのであればとっくの昔に《主体》はさうしてゐる筈さ。しかし、実際はさうなってはゐない。それが何を意味してゐるかは解かるよね? 


――つまり、《主体》は《主体》であることを《断念》することしか《新体》への道は拓かれないと? 


――《主体》自らその極悪非道ぶりを自らの手で断罪した《主体》がこれまで存在したかね? 


――自殺したものは違ふかね? 


――へっ、自殺は《主体》が《私》として未来永劫地獄の中で存続する為の自己愛の一表現に、換言すれば、自殺は端から《主体》を断罪することを已めてしまった《主体》の哀れな自己愛の一表現に過ぎぬ。違ふかね? 


――《死》は裁きにはならぬと? 


――自殺は卑怯者が取る最も安易な、そして愚劣極まりない行為さ。へっ、これまで誰か自殺して《主体》が《新体》に変容した例があるかね? 


――それじゃあ、イエスや釈迦牟尼やその他の宗教の開祖達は違ふかね? 


――ふっふっふっ、或ひはさうかもしれぬが、しかし、彼等に《主体》全ての極悪非道を背負はせるのかね? 


――…………。


――それは無責任だらう。


――しかし、《主体》自ら《主体》を断罪したところでそれは茶番劇にしかならないのじゃないかね? 


――しかし、しないよりもした方が未だましだらう。何せ《存在》は《他》の殺生の上にしかあり得ぬのだからな。


――へっへっ、《主体》自ら《主体》を血祭りに上げたとして、それは《主体》にとって痛くも痒くもない筈さ。


――当然だらう。


――当然? 


――一《主体》を《主体》が断罪し葬り去ったとしても次なる《異形の吾》がそれに取って代はるだけさ。


――ならば何故《主体》は《主体》自らの手で《主体》自体を断罪せよと? 


――《主体》が《主体》自らの手で宇宙にとっては思いもかけぬ《自己弾劾》をこの宇宙の内部で《主体》が自ら進んですることで《存在》を《存在》させるこの悪意に満ちた宇宙をちらっとでも震撼させたいが為さ。


――それじゃ、《主体》の意趣返しでしかないではないか? 


――へっへっへっ、意趣返しで結構じゃないか、この宇宙が一瞬でも震へ上がるのであれば――。


――ちぇっ、詰まる所、お前は《主体》が宇宙に意趣返しをすることで、その実、この宇宙とは別の更に相転移した《新宇宙》の出現を促し、その結果として図らずも《主体》が《新体》に変態するといふ馬鹿げたことを目論んでゐるのかね? 


――《主体》が《新体》へと変態するかどうかは解からぬが、唯、《主体》が《主体》を弾劾し始めることでこの宇宙をちょっとは震へ上がらせ、その上《存在》をも揺すってみることは出来る筈さ。


――それで《主体》は満足か? 


――いや。《主体》は《存在》が《存在》する限り満足することはあり得ぬ。


(廿二の篇終はり)



自著「夢幻空花なる思索の螺旋階段」(文芸社刊)も宜しくお願いします。詳細は下記URLを参照ください。
http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-05367-7.jsp
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Profile
積 緋露雪
性別男性
年齢45歳
誕生1964年2月25日
星座うお座
血液O型
身長172cm
体型痩身
職業物書き
地域関東
性格穏やか
趣味読書,クラシック音楽鑑賞
チャーム特になし
自己紹介
3度の飯より思索好き今もって独身
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