| | | | | | | | | 2018/02/09 11:36:35 プライベート♪ | | | 寂しそうに見えた | |
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裕太と颯太が、自転車を降りると、玄関へと向かう。 この家には、何度足を運んだことだろう・・・と、 颯太はしみじみと思っていた。 あれから、半日しかたっていない・・・というのに、 荷物がすっかりなくなり、がらんどうになった家は、 なんだかひと気もなくなり、少し、寂しそうに見えた。 「ホントに明日、行っちゃうのかぁ」 颯太は今更のように、少し寂しそうに言う。 すると裕太も「うん」とうなづき、 「嘘みたいだな」と、ボソリと言った。 「この家、どうなるの?」 颯太が聞くと、 「しばらく、空き家になると思う。 まだ、買い手もつかないし。 もしかしたら、また、帰って来るかもしれないし・・・」 と、まだ あきらめのついていない声だ。 「帰ってこれれば、いいのにな!」 思わず、希望的観測で颯太が言うと、 「うん」と、裕太も短く答えた。 それから2人は、じぃっと家を見上げると、 「よし、行くか」 と言って、門柱をくぐり抜け、ドアへと向かった。
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